Sermon法 話

七福神様の宝船


令和二年、新しい年になりました。新年ということで、めでたい七福神のお話をしましょう。

皆さんは七福神様のお名前をすべて言えるでしょうか?
恵比寿、大黒天、毘沙門天、弁財天、福禄寿、寿老人、布袋尊の七人の神様ですね。七福神様の信仰は日本独特のもので室町時代の終わり以降に広まったとされています。七福神様は宝船に乗っておられますが、このお姿はまさに「美しき調和」、ビューティフルハーモニーのお姿です。

七福神様の中で日本古来の神様は実は恵比寿様お一人だけなんです。大黒天、毘沙門天、七福神の中で紅一点の弁財天、のお三方はインドの神様です。天が付く方はインドの神様と覚えるといいですね。福禄寿、寿老人、布袋尊のお三方は中国の神様です。他の四人さんと比べるとちょっと地味目です。

日本の恵比寿様は神道、インドのお三方はヒンドゥー教、中国の福禄寿、寿老人は道教、布袋尊は中国唐の時代に実在したお坊さんで仏教、と民族も宗教も違う七人が集まっているというのがミソです。それぞれの神様は個性を持っておられます。大黒天は裕福の神様、毘沙門天は勇気の神様、弁財天は智恵の神様など、得意分野・受け持ちがあります。

民族、宗教、個性が違う。争いの元になりそうなことが揃っていますが、そうならずに宝船に乗ってニコニコとしておられます。それは、違いを認め、お互いのよい所を評価して、敬い合っているからです。地球という船が七福神の宝船となるためには、お互いに認め合い敬い合うということが必要です。そうすればビューティフルハーモニーが奏でられる世界になるし、私たちにはそれができるはずなのです。

七福神様の宝船はそのことを教えてくださっています。

(福井新聞「心のしおり」欄に掲載されたものです)


一覧へ戻る