私が子供の頃は、お正月になると凧揚げや独楽(こま)まわしは必ずやっていました。童謡「お正月」にも、凧揚げ、独楽まわし、まりつき、おいばね(羽根つき)が出てきますね。
お正月の遊びにはそれぞれ願いが込められていました。凧揚げ、独楽まわし、羽根つき、福笑いで見ていきましょう。
◎凧揚げ 中国から平安時代に伝来したもので、貴族の遊びでしたが、江戸時代には庶民の間に広がりました。男の子が生まれたお祝いに、健やかな成長を願って年初めに凧を揚げました。空高く揚げることによって、願いが天に届くと言われました。
◎独楽まわし これも平安時代に中国から伝わって、宮廷の儀式に使われていましたが、江戸時代に庶民に広がりました。「物事が円滑に回る」「お金が回る」「独り立ちする」「意志を貫く」などの意味を込め、お正月に遊びました。「独楽」の字は古代中国でコマを表す「獨楽」から来ているそうです。
◎羽根つき 室町時代の文献に初めて出てきます。羽根は蚊を食べてくれるトンボに似せており、ムクロジという木の種を使います。ムクロジは無患子と書き「子どもが患(わずら)わ無い」というので、女の子の無事の成長を願いました。羽根を突くことによって厄を払う、魔除けの意味もあります。羽根を落とすと顔に墨を塗られるのも魔除けのおまじないです。
◎福笑い 目隠しをした人がおかめやひょっとこの顔のパーツを正しいと思う位置に並べていく遊びです。これは笑う門には福来るで、一年を笑顔で過ごせますようにとの願いです。おかめは「お多福(たふく)」というように福を招くから、ひょっとこはかまどの火を竹筒で吹く「火男(ひおとこ)」がなまってひょっとこになったという説があります。
このように、私たちはお正月の遊びにも、一年を無事に暮らせますようにとの願いを込めていたのです。この一年が穏やかな年でありますように。
(福井新聞「心のしおり」欄に掲載されたものです)