Sermon法 話

「ONE TEAM」の精神で


緊急事態宣言が出ていた時に、福井県内ではテレビで「心をひとつに ONE  福井」というメッセージが流されていました。これを聞いて昨年のラグビーワールドカップでの日本代表のスローガン、「ONE  TEAM」を思い出しました。

私もにわかファンとしてテレビに釘付けになった一人です。外国出身の選手が半数近くを占める中、日本代表としてチームのために献身的に動き続ける姿はONE TEAMにふさわしい感動的なものでした。昨年の流行語大賞にも選ばれるほど日本中に浸透した言葉で、選考委員は「ONE  TEAMが今後も前向きに使われることを願う」と語っています。

そして、今年のウイルス禍です。まさに「ONE  TEAM」の精神が必要とされる状況になりました。掛け声だけではなく、実行してこそ意味がある、実践できるかどうかを試されているのかもしれませんね。

自分を犠牲にして行動を自粛していると思うと、自粛していない人を見ると腹が立ちます。それで自粛警察なんていうことが起こります。そうではなくて、意識を広げて考えると他人を攻撃したり差別したりということはありません。物質としての身体は広げることはできませんが、意識はどこまでも広げることができます。宇宙空間から地球を眺めると地球が一つの生命体に感じられるという宇宙飛行士は多いです。宇宙空間という大きな視点から物を見ると意識が広がって、自分と全体が一つに感じられるのです。そうすれば小さな自己にとらわれることなく、自然と全体の利益になる行動ができるようになります。 まさにONE TEAMです。

今回のウイルス禍ではアメリカと中国の対立も表面化し、アメリカがWHO脱退の決定をするというところまで行ってしまいました。世界全体が大変な状況になっているにもかかわらず、狭い視点から覇権争いをしているように映りました。

宇宙船に乗って宇宙空間から地球を眺めながら首脳会議をすればきっと実りのある会議になるだろうになと思います。

(福井新聞「心のしおり」欄に掲載分を手直ししたものです)


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