善根山弘法寺(ぜんごんざんこうぼうじ)は齋藤智照法尼によって昭和21年に開創されたまだ歴史の浅い寺です。紫式部公園の東側に隣接するよい環境の中にあります。真言宗国分寺派に属しており、ご本尊は弘法大師様です。智照法尼については歴史の項をご覧ください。
真言宗の寺には通常善光寺如来様はお祀りされないのですが、お大師様から智照法尼に「亡くなった方のご回向をする時には善光寺如来様のお力が必要であるからお祀りせよ」とのお指図があり、早速長野の善光寺大勧進様にお願いして善光寺如来様を造立いたしました。昭和25年9月21日、智照法尼は開眼供養のために善光寺に出向きました。当時の管長様は後に浅草寺の貫主にもなられた高徳の清水谷恭順猊下でした。この時、不思議なことに清水谷猊下と智照法尼の両方に善光寺如来様から同じお歌が授けられていたのです。
猊下が智照法尼に「善光寺如来様からお歌を授かっているであろう。申してみよ。」と言われます。智照法尼が「汝困苦の 花咲けり」と申しますと、猊下が「十方諸仏に護られて 弥陀同体の 蓮の上」と続けられました。これは不思議なことであると、猊下自ら筆をおとりになられ、この歌を揮毫してくださいました。そして、「今後福井の齋藤智照が善光寺に何か言ってくることがあったら、それは仏の指示によってのことであるから聞き入れるように」という一筆を残してくださいました。その一筆が残っていたおかげで、のちに水子救苦観音菩薩様が大勧進境内に無事に納まることができたのです。
善光寺如来様は普段は秘仏で年に一度6月8日に御開帳法会が厳修されます。
昭和44年、年初めから体調を崩していた智照法尼は一か月ほど寝込んでしまいました。その間毎夜、観音様が夢の中に出てこられ、智照法尼の手を引いて霊界へとお導きになります。そこで親の罪と水子の嘆きを見せられて、これらを救うために水子救苦観世音菩薩を建立し、善光寺大勧進に奉納せよとのご教示がありました。早速京都の仏師に依頼して観音像が出来上がり、大勧進境内に納められ、昭和45年10月27日に開眼の法要が営まれました。大勧進境内に無事に納まったのも、清水谷猊下の一筆があったおかげなのです。昭和25年、善光寺如来様はまさに20年後に水子救苦観世音菩薩がこの世に出られることを見越して「汝困苦の 花咲けり~」の歌をくださったのでしょう。当山にお祀りされている水子観音像は大勧進様に納められた像の原型です。毎年8月の第3日曜日(お盆に重なる時は第4日曜日)に大祭が勤修されます。
善光寺大勧進様に納められた水子救苦観世音菩薩様の原型の像の前にてお勤めいたします。私たちは日々の食事によって命をつないでいますが、亡くなった魂にとってはお経が食事です。これを経食(きょうしょく)と言います。初代住職はお大師様から、「水子の魂は定命で亡くなった人の百倍のお経が必要である」と教えていただきました。とにかく十分なお経の供養をしてあげることが大切です。
現住職智範大僧正が仏様からいただいた水子供養の歌があり、お経の中でその歌を歌って水子の魂を慰め供養します。まずはお経をお受けになってください。
◎各種ご祈祷 厄除け、家内安全、身体健全、病気平癒、車のお祓い、七五三参りなどの各種ご祈祷を承ります。祈願料はお一人5千円で、所要時間は約30分です。
◎鳴り釜の祈祷 神仏様の不可思議を体験できるご祈祷です。当山では節分、4月第一日曜日の箸灌頂法会、7月第一日曜日の夏越の祓い、12月第一日曜日の終い権現様のお参り日に厳修します。家のお清めのためにご自宅にお伺いしての鳴り釜祈祷もできます。
◎ご相談事 お悩み事のご相談を承ります。
智照法尼が感得したマンダラ世界を現しています。一弘(いっこう)慈母観世音菩薩様、三王(さんのう)不動明王様を主として、稚児大師様、稚児観音様、稚児地蔵様などがお祀りされています。周りには四国八十八箇所のお砂が埋めてあり、お百度参りができます。
信者様用の納骨堂です。納骨をご希望される方はお問い合わせください。
平成5年に落慶しました。タイ国請来の釈迦如来坐像がお祀りされています。このお釈迦様は副住職智弘師が平成3年4月から平成4年4月までタイ国に滞在し、バンコク市の大理石寺院にて得度、上座部仏教の比丘生活を送った際に、タイ人の在家信者の方から寄進されたものです。2階には梵鐘がかかっており、毎日朝夕6時に鐘が撞かれます。除夜の鐘はお参りくださった方も撞くことができます。
初代住職智照法尼と現住職智範大僧正が神仏様からいただいたお言葉・お歌をまとめて冊子にしています。智照法尼がいただいたお言葉が5つ、智範大僧正がいただいたお歌が14あります。一冊500円にてお分けいたします(発送手数料別)。その中から2つご紹介いたします。
無量永劫のかせばより 南無阿弥陀仏の糸を出し 衆生の心にくるくると 移し取ってのお働き
なされてくださる親様の お慈悲を知らずにちょこちょこと 我が「が」のハサミで糸を切り
なんでお徳がもらえぬと 自力の心が先走り 親様泣かせていたことを ほんに今まで知らなんだ
お許しなされてくだされよ 南無阿弥陀仏阿弥陀仏 南無阿弥陀仏阿弥陀仏
歴史の項目の中で語られている初代住職智照法尼の一代記を「神仏より授かりしお言葉」の中のお歌を交えてお話しいたします。涙あり笑いありの「歌う法話」です。法話時間は基本的に40分ですが、ご都合に合わせて調整可能です。参拝料は10名まで一律5,000円、11名から1名につき400円となります。100名程度まで入れます。予約が必要です。越前市では秋に武生菊人形が開催されます。当山と菊人形会場とは近い距離にあり、菊人形と合わせて法話をお聞きになるのはいかがでしょうか。
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